同性間の結婚禁じる憲法修正を支持(その2)

[id:rna:20040225]の同性結婚問題についてアメリカ在住の macska さんから色々教えて貰いました(感謝)。

まず、日本と違って合衆国憲法では婚姻制度について特に規定はなく、州毎の判断で決めることになっているそうです。だから州によって同性結婚が認められたり認められなかったりします。しかし、合衆国憲法にはこんな条文があります。

Full faith and credit shall be given in each State to the public acts, records, and judicial proceedings of every other State.
(各州は、他州の法令、記録および司法上の手続きに対して十分の信頼および信用を与えなくてはならない。)

僕みたいな法律の素人にはいまいちわかりにくいのですが、これは要するに各州は他の州で認められた証明書や資格を認めなくてはならないという規定です。例えばある州でとった車の免許は他の州でも有効です。結婚についても同様で、同性結婚を認める州に婚姻届を出せば、同性結婚を認めない州に引っ越してきてもその結婚には法的効力があるわけです*1

これは保守派からすると一種の抜け穴です。この穴を塞がないといくら自分の州で保守的な婚姻制度を作っても意味がない、州の独立性が損なわれる、というわけで保守派は1996年に「婚姻防衛法(Defense of Marriage Act)」を成立させました。これは他州における結婚の法的効力を認めるかどうか各州が独自に判断してよいというものですが、明らかに上に挙げた合衆国憲法第4条第1節の規定と矛盾するもので、いずれ裁判で争われて違憲判決が出るのは目に見えています。で、そうなる前に憲法の方を変えちゃえ、というのがここまでの流れだそうです。

で、憲法の具体的な修正内容は「いかなる州も同性結婚を認めてはならない」というものだそうです。えー。これは DOMA よりさらに踏み込んだ内容で、州の独立性云々とかじゃなくて露骨にホモフォビアな内容に見えるんですけど。。。マジで禁酒法なみにトンデモな修正だと思いました。



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*1:そういえばこの話、TVドラマ『ザ・ホワイトハウス』でやってましたね。たまたまその回だけ見た記憶が。