藤井誠二原作『17歳。』

漫画アクションの新連載に、原作:藤井誠二、作画:鎌田洋次『17歳。』が。いわゆる女子高生コンクリート詰め殺人事件を扱ったもの。

これとは別にこの事件を映画化した『コンクリート』は反対運動にあって公開中止に。映画のオフィシャルサイトも反対運動のサイトも今は見れないので転載先を紹介:

反対運動は「映画は犯人を擁護している」という理由らしいですが、漫画のほうは大丈夫でしょうか。藤井誠二は同事件を取材した『少年の街』asin:4876522308のあとがきより:

本書では、四人の少年たちの家族関係や詳細な事件の経過ではなく、四人の少年を含めた「街」の少年たちがこの事件をどう捉え、いまいかなる心象でいるのか、また、どんな現実に接しているかを描くことに主眼を置いた。
雑誌の連載中などに、「おまえは極悪人に荷担するのか」とか「殺された側の人権はどうなるのだ」というような指摘も数多くいただいた。しかし、ぼくは「殺された女性」の側に立とうと努力したつもりである。犯人の少年たちを極刑にし、社会から追いやることを主張するのが「殺された側」に立つことではないと思う。

このルポを元に他の少年事件や少年事件被害者への取材も含めたのが『17歳の殺人者』asin:4022613866ですが、amazon の書評に「読み進めている間、何度も「どうしてこんなバカなヤツらの気持ちをわかろうとしなければならないのか」とどうしようもない憤りを感じました」という言葉を見つけてなんともいえない気分に。

僕があれを読んだ時は、僕があの街に住んでいたらどうだったろう、ああいう事件を起こしはしなかったかもしれないけど、事件を知りながらも被害者を見殺しにしていた他の少年たちのようになってなかったか、という意味での共感を通じて、加害者の立場も含めて自分に繋がる問題と感じるに至ったのだけど。