イナゴではなくトノサマバッタ

http://puh.web.infoseek.co.jp/hikou.htm より:

 「聖書」も「大地」もイナゴといっていますが、昔は突然大群が押し寄せ、農地に壊滅的な打撃を与えてきたのはイナゴと思われていました。ところが、イナゴは大群を作って飛び回るようなことはありません。このような生態を持つのはトノサマバッタか近縁のサバクトビバッタしかいません。

「飛蝗」がトノサマバッタ(の群生相)というのは知っていたんですが、本物のイナゴは大群にならないというのは知りませんでした。サバクトビバッタ*1の学名は Schistocerca gregaria で今アフリカで暴れてるやつ([id:uneyama:20040903#p2])はこれですね。

http://www.bioweather.net/column/back_no/c031020.htm より:

サバクトビバッタは、アフリカの砂漠で通常は個々に暮らしていますが、雨期に砂漠が草原となると産卵を繰り返し、多数の成虫が一斉に飛び立って餌を求めて畑や草原を食いつくし、次の緑地を求めて飛んでいくので非常に恐れられています。西アフリカ、中央アジアや中国で恐れられているこのような飛蝗(ひこう)を、日本では伝統的にイナゴと訳しますが、正確にはこれらはサバクバッタやトノサマバッタと訳すべきものです。

じゃあ佃煮にするやつは? というと、これだそうで。

http://www.bioweather.net/column/back_no/c031020.htm より:

では、日本でいうイナゴとはどんなバッタでしょう?本州以南にみられるコバネイナゴやハネナガイナゴが代表的な種類です。体長は1.5〜4cm程度であり、成虫は夏から秋にかけて現れます。飛蝗ほどではないですが、やはり群れをつくり、稲を食い荒らす害虫として知られていました。しかし1950年代以降、農薬散布により数が減り害虫としては目立たなくなりました。

漫画『墨攻ASIN:4091830412 には飛蝗を兵器として使う話があります*2。人為的に密集環境で生育して作った大量の飛蝗を隣国に放し農業に大打撃を与えるというもの。日本でも人為的に作られた飛蝗が多摩動物公園昆虫園で密かに飼育されているとの噂。。。というのは今僕が思いついた嘘で、ほんとは普通に展示してるそうです


*1:desert locust. エジプトツチイナゴとも言うらしい

*2:原作小説の方は未見。