「ジェンダーフリー」の誕生?

macska 板経由で知りました。

フェミニズムミニコミ誌『くらしと教育をつなぐ We』2004年11月号掲載記事のようです。話が前後する文章でいまいちわかりにくかったのですが、まとめるとジェンダーフリーは三つあるってこと? (太字はなんばが勝手につけた呼び名)

元祖ジェンダーフリーはバーバラ・ヒューストンの論文で、性別に関して人々が持っている心や文化を変えていこうという運動方針を指す言葉として使われたそうです*1ジェンダーを見ない、生徒を男女によって一切区別しない、という教育方針を指す言葉として使われたそうです。しかし、ヒューストンはこれを否定的な意味で挙げており、ジェンダーフリーでなくジェンダーセンシティブ(性差別に敏感になり具体的なプログラムを導入する)であるべきだと主張していたのだそうです。

東京女性財団版ジェンダーフリーは、日本で最初にジェンダーフリーという言葉を使った東京女性財団ハンドブック『Gender Free』(1995)での用法です。中身は元祖ジェンダーフリーと同じ意味ですが性別に関して人々が持っている心や文化を変えていこうという運動方針を指す言葉として使われました。ヒューストンの論文が元ネタですが、意味を誤解もしくは曲解したようです。その評価についてもヒューストンの論文を誤読して、ジェンダーフリーこそが性差別の解消に役立つ、あるいはジェンダーセンシティブの一過程と解釈されたものだそうです。この意味でのジェンダーフリーにはヒューストンは否定的だそうです。

大沢版ジェンダーフリー男女共同参画ビジョン、プランの説明で大沢真理が使った用法で、「ジェンダーからの解放」「政策・制度面でジェンダー・バイアスをなくす」という運動方針を指す言葉として使われたそうです。男女共同参画社会基本法関連でジェンダーフリーと言うとこの用法だと思います。ヒューストンはこの意味でのジェンダーフリーにも否定的だそうです。

で、山口氏は上のような意味の曖昧さが右派に付け込まれることになり、とばっちりで「ジェンダー」や男女共同参画*2、70年代から続いてきた男女混合名簿運動も批判にさらされてしまったとして、「ジェンダーフリー」という言葉を使ったのは失敗だったと結論しています。

*1:と、読めるけどいまいちわかりにくい。

*2:男女共同参画」も右派の攻撃対象だが、山口氏はこの言葉自体曖昧さがあり「ジェンダーフリー」のとばっちりとは言えないと考えているそうなので修正しました。