困ったファンとは

アイドル扱いされるのが不愉快だったエレーヌ・グリモーは、ファンたちには随分苦労したようで、自叙伝『野生のしらべ』には困ったファンの話もいくつか紹介されていました。彼女のファンに対するスタンスはこんな感じ(p223より):

私はファンたちをホールの客席に見分ける。できるときは話しかける。私の目にとってはひとりひとりが唯一無二の存在だ。けれどもファンはもっと多くを要求する。個人的な絆、友情を結びたがる。ところが、それは考えられないことだ。何万人もの人々と関係を結ぶのは不可能だ。最大のこと、私はそれを舞台上でコンサートのあいだにあたえているということを、どうしたら理解してもらえるのだろう? 舞台のうえで、私はほんとうに客席のひとりひとりのために演奏をしている。人が聴衆と呼ぶ集団のために弾くことは決してない。

率直な彼女は家を訪ねてきたファンを自ら追い返して恨まれたりもしています。こういった熱狂的なファンとは別の種類のファンに対しても随分毒のある事を言っています。例の居候先のハードゲイカップル(?)がいかに素晴らしい人たちだったかを賞賛したあと、それまでの口うるさい家主たちについてこんなことを(p285より):

こういった連中は、いまでは相手構わず私のことを自分たちの親友だと吹聴し、ニューヨークでコンサートを開くたびに訪ねてくる。

(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル