リフレなくして構造改革なし!

切り捨てられる人が出てくるような、「そういう社会構造そのものが気に入らねぇ」と確かに思っています。しかし、弱者の痛みのたとえば80%をリフレで和らげられる、あるいは弱者の80%をリフレで救えることがわかっているとするならば、とりあえずリフレを採用しないでおく、ないしリフレに反対するべき理由はありません。残りの20%の問題は問題として残りますが、それは残りの問題としてきっちり対処すればよいことだしそうすべきだと思います。

残りの20%を救う政策もデフレのままでは無効なので、順番としてはまずデフレをなんとかしないといけません。bewaadさんおすすめの『改革の経済学』(ISBN:4478210594) p127-128 より:

構造改革にはマクロ政策が不可欠

さらに、構造改革は潜在成長率を引き上げる政策である。その成果を現実のものとするには、マクロ経済政策によるマクロ経済の安定が必要不可欠である。このことは、イギリスのマクロ的経済成果にみることができる。たしかに失業保険制度の改革などによって、失業者としてとどまることへのインセンティブは小さくなった。とはいうものの、失業率は八〇年代に急上昇した。
結局、イギリスにおいて、失業率とインフレ率というマクロ経済が安定的に向上するのには、マクロ経済政策の転換を待たなければならなかった(Oulton(1995)も参照のこと)。

再配分の仕組みを作っても配分するお金がなくては意味がないし。『カムイ伝』だったか『カムイ外伝』だったかにあった、親をなくした子供たちのグループが一個のおにぎりを見つけた時のエピソードを思い出します。こんものをみんなで分けても腹はふくれないし誰かが一人で食べてもグループ内に不穏な空気ができてしまうので、結局グループのリーダーがおにぎりを捨ててしまうのでした。

追記: あ、

イギリスの「失業保険制度の改革」ってサッチャー政権時代の失業保険給付削減のことかな? これは左翼的には弱者救済政策ではないかな。。。