無間地獄

世の中というのはちょっと間違うと、立場など簡単に入れ替わるものだと思ってしまう。オウムを特殊なものだと切り離そうとする人々をみるたびに、それはあなたの精神衛生に、かなりよろしくない態度ですよと言わざるを得ないのである。
「ことのは」騒ぎについて(医学都市伝説)

しかしその手前で、

そういう人は自分自身の反社会性・衝動的傾向を、オウムの中に発見してしてしまうのだろう。自分の危なさを相手の中で熟成させ、拒絶することで自分から振り払えると思うのだろう。それが彼らなりの「カルマ落とし」であるわけだ。

とあるように、彼らは入れ替え可能性への気付きが精神衛生上好ましくないからこそ、ああいう行動に及ぶのだろう。もっとも、ただ単に「壊してもいいおもちゃ」を手に入れたと思ってはしゃいでるだけの人も少なからずいるのだろうけど。

もちろんこの種の入れ替え可能性は端的に事実であり、いくら否定してもどこかでまた同じ局面に出会わざるをえず、永遠に「カルマ」は落ちない。そういう意味で長い目で見れば精神衛生上よくないし、リベラルな社会への不適応という形で生活にも支障が出てくるかもしれない。でも日本ってそこまでリベラルじゃないよな、とワイドショーとか見るたびに思ったり。