Re:靖国参拝はいい観測方法では

あもうさんのブログのエントリ靖国参拝はいい観測方法ではコメントしました

コメント欄は色々話が錯綜してるので、2006/08/14 15:38:45 のあもうさんのコメントについて、こちらに書きます。

中韓は別に靖国参拝講和条約に違反だとかそういうことは言ってないはずです。合法/違法という話ではなくて、もっと象徴的な話であったり、国民感情とか国家のメンツの問題ですから、細かな条文解釈の問題ではありません。あもうさんが言っている「内政干渉」だって国際法違反とか条約違反とかそういうことを言いたいわけではないでしょう? ダブルスタンダードだとか卑怯だとかも同様。

講和条約受諾等を通じて戦争責任を認めてあの戦争は過ちだったと公式に認めたはずなのに、その戦争に肯定的で戦犯を祀っている靖国神社を参拝するのは素朴に考えれば矛盾でしょう。だから「本音は戦争肯定じゃないのか?」「チャンスや口実があれば軍国主義になっちゃうんじゃないか?」って疑われうるということ。もし同じようなことを中国や韓国がやったとしたら中韓を信頼できますか? 僕はできません。

日本が現実の軍事的脅威にならないようにするという目標は十分達成できている

これはおそらくその通りですが、信頼というのは未来の行動に対するものですから、今現在の現実ではなくその先を作っていく意志や能力が問われるわけです。だから築き上げてきた信頼が失言一つで揺らぐことだってあります。

参拝することで国内の論者の勢力分布図その他をあぶり出すことができる。

これもその通りですね。しかしご自分もあぶりだされていることをお忘れなく。

僕の立場

僕は首相の靖国参拝は反対です。理由は、

  • 靖国歴史観は日本国の公式の歴史認識と矛盾する
  • 故に他国に日本国としての歴史認識を疑われかねない
  • 任期中の参拝は、現実に国内外で政治的なメッセージとして解釈されているため「私的」ではありえない
  • 対して首相が靖国参拝をする事に公的なメリットはほとんどない

靖国における祀り方等は靖国が今や一宗教法人に過ぎないことを考えると、政策的にどうするというのは憲法違反ですし、靖国関係者の思想信条の自由の侵害だと思います。ですからA級戦犯分祀論には反対です。