ホームレス差別と僕の失言について

僕のはてなブックマークでの以下の失言が各地で非難されてるわけですが、、、

ひどいとは思うが、、、「ホームレスは「女性」を襲うかもしれない存在であるかのような」でも実際に路上でオナニーしてる人見たことあるなぁ。日本橋あたりで。人に危害を加えるつもりはなさそうだったが。
「猿゛虎゛日記 - ホームレスは怖いですねえ」のブックマークでの僕のコメント(修正前)

はい、失言です。ブクマコメント一覧のなかにこれがあると偏見を煽る効果があるというdemian さんの指摘(大阪の長居公園で行政代執行の追記を参照)はもっともなので、上のコメントは demian さんの指摘へのリンクに差し替えました。コメント欄に100文字制限があり補足や釈明を追記するには足りないので。

という発言、この「ホームレス」という単語を他のマイノリティに置き換えてみたらどう思われますか?
ホームレスは怖い、ではなく、黒人は怖い、HIVポジティブは怖い、ゲイは怖い、在日は怖い、、、、馬鹿げてますよね。
おかしいですよね(諸悪莫作)

僕が言いたかったのは社会性を疑われるような行動をとっている人が怖がられるのは(良い悪いは別にして)しょうがないんじゃないか、ということです。ましてや別の弱い立場の人(ここでは女性)からすれば。だから山田花子が怖がるのは差別感情が先立っているのではないかもしれない、と思ってああいうコメントを書きました。

もちろん個別のケースの印象を集団全体の特性のように思うのは一般には誤解であり偏見なのだけど、ホームレスの場合どうしても人目を憚らないライフスタイルになりがちだし、他人の視線を気にするのが当たり前な文化で生きる一般人から見れば、社会規範を守る気があるのかどうか疑わしく見えてしまうのはしょうがないでしょう。定義からし軽犯罪法違反すれすれの生き方を続けている人たちですし。

問題は、だからといって事情を問わず強権を発動して排除していいのか、というところであり、個人個人が怖がったり避けたりするのは本筋ではないと思います。市民が怖がるというのも、苦情の件数を見る限り行政の口実にすぎないと思われ、行政側には別の動機があるのでしょう。しかし、多くの人がそういう処置を黙認しているのは、別の誤解・偏見があるからだと思います。

つまり、ホームレスの人たちは好き好んでああいう生活をしていて身勝手だとか、そもそも失業すること自体が怠け者で努力が足りないからだとか、行政は彼らの社会復帰のためにそれなりの努力をしていて、それにも関わらずホームレスのままでいて不利益を被るのは自己責任だ、という誤解・偏見です。

匿名掲示板なんかだとそういう誤解や偏見がストレートに出てくるのをよく見かけるので、僕自身「不況による失業は椅子取りゲームで負けるようなもので、たとえ全員が同じ能力を持ち同じだけ努力していても座れない人が必然的に出てくるのだから、自己責任とは言えない」というような説明で反論を試みたりもしました。5,6年前の話で当時は今ほど景気がよくなかったこともあって、こういう説明でそこそこ理解されていたと思います。

ちなみにその時は「椅子がなければ作ればいいじゃない(努力して起業せよ)」という反論もありました。それに対しては、日本では先に蓄えがないと起業するのは難しいし、そもそもモノやサービスが売れなくて不況になっているのだから、モノやサービスを増やす方向では解決しない、たとえ起業に成功したとしても、需要不足による不況下では、それは誰かに流れていた金が止まってそっちに流れる事を意味するから、結局かわりに誰かが椅子から転げ落ちるだけで全体としては状況は変わらない、という説明をしましたが。。。

もう一つ、行政のホームレス支援が実はザルだ(「就労支援」は新聞の求人広告を切り抜いて渡すだけ、とか)というのは、今回の件で色んな人の書いたものを見るまでよく知らなかったのですが、そのあたりももっと知られるべきだし、非難されるべきことだと思います。

しかも、「人に危害を加えるつもりはなさそうだった」って、野宿生活者は人外の何かなんですか?

これは僕が見たケースではいわゆる「変質者」みたいに人に見せて脅かそうとしていたわけではなかった(ように見えた)という意味です。単に人目を憚らずやっていただけであろう、ということ。というか「変質者」だとしても人外の何かではないと思いますが。。。