競争ってなんだろう

競争回避行動もまた社会を幸福にするのだ

(中略)

すると、A君は「B君と離れた場所に店を出せば、店の周りの人は多少高くても自分のところで買ってくれる」ことに気づくようになります。これはB君も同様です。あまりにも近いと価格競争せざるを得ない。だから、価格競争が激しいものにならないよう立地点を分散させるようになるのです。A君、B君が「他社製品と違う特徴(ここでは異なる立地点)を持つことで競争から離脱しよう」としていることに注目してください。これが自力での競争脱出法である差別化戦略です。

競争がもたらす副産物 (飯田泰之の「ソーシャル・サイエンス・ハック!」)

これを読んでて気付いたというか、気付いてなかったことに気付いたというか。

「競争」と「競争回避」という言葉が出てくるけど、この二つは紙一重というか、競争の果実とされるもの、進歩とか多様性とかは、競争回避の結果なのだろうか? 価格競争だって、価格以外の特徴での競争を回避していると言えなくもないし。

つまり、競争させると人は競争を回避する、だからこそ進歩とか多様性が生まれるのだ、と。

だとすれば「競争は残酷だ!」的なイデオロギーも、「競争は素晴らしい!」的なイデオロギーも、どちらも的はずれということになる。前者はトリビアルというか、残酷だからこそ回避するわけで、回避する運動から果実が生まれるのだから、そんな事言っても無意味だし、後者は倒錯的というか、競争が美化されてしまえば肝心の回避する運動が生まれない。。。ということなのか?