左耳が聞こえない

浜崎あゆみ突発性難聴で左耳が聞こえなくなった件。*1

asahi.com:浜崎あゆみさん「左耳聞こえない」 HPで明らかに - 文化・芸能のブックマークコメントに、

ナカーマ(*´∀`)人(´A`;)

などと書いたように僕も左耳が聞こえない。音楽活動に支障という報道もあったが、僕は物心ついた頃からずっと右耳だけで音楽を聴いてきたのでいまいちピンとこない。wikipedia:突発性難聴 によると「音が「異常に響く」「割れる」「二重に聞こえる」「音程が狂う」など」の症状が出ることもあるそうなので、これは困るだろうと思うのだが、完全に聞こえなくなったということならむしろ割り切れるとも思う。ただ、「残機1」の恐怖というのはあるのだが。

立体感のある音作りができなくなる、というのは困るのかもしれない。浜崎あゆみは「A BEST」をたまに聴くくらいだけど、片耳だと楽しめないということはないと思う。もっとも僕には音の立体感というものがわからないので、普通の人が音の立体感にどれだけこだわっているのか知らない。そういうものがあるという事自体、学生時代にバイト先で音楽やってる人の話を聞くまで知らなかったくらいだし。

音楽は別にして、片耳が聞こえないと何が困るかというと、人の声を聞き漏らすことがあるというのが大きい。聞こえない方の側から話しかけられるとほとんど聞き取れないし、音を立体的に聞けないせいなのか、大勢がまわりで喋っていると誰が何を言っているのか聞き分けづらいことがままある。

聞こえなかったり聞こえづらかったりすることは、それ自体が問題と言うよりも、聞こえていないという事を相手が知らないことによる行き違いが問題だ。無視されたとか、ぼーっとしているとか、そういうふうに誤解されることがままある。より話をややこしくするのが、こちらとしても聞こえないのに聞こえているフリをしてしまうことがあること。

聞こえるフリをする理由はいくつかある。一つは聞き直しがウザがられるのが嫌だったり、そうでなくても相手に言い直しの負担をかけることに気を遣ってしまったりすること。もう一つは子供の場合に限られる(と信じたい)けど、イジメがあるから。そもそも聞こえないということを人に知らせない場合もある。理由は、なんとなく言いづらいとか、変に気遣いさせたくないとか、弱点を人に知られたくないとか。

こういったコミュニケーション的な不都合は、周囲が聞こえないのを知っていて、気遣いできる限りにおいてはあまり問題にならないと思う。小さい頃から聞こえないと言語能力の発達などにも影響があるかもしれないが、大人になってからなら問題ないだろう。

浜崎さんの場合音作りはチーム作業で仲間の力を頼れると思うし、コンサートなどは機材を工夫すればなんとかなると思うし、それをさせるだけの力もあるだろう。その他の仕事で気遣いが増えて辛いということも彼女の立場上あまりないと思う。

こうやって事情を万人に周知してあるし、慣れれば聞こえる方の側に相手が来るように自然に位置取りできるようにもなるので、日常のコミュニケーションもあまり支障はないと思う。残機1の怖さはあるとはいえ、前向きに頑張って欲しいものだ。

しかし問題は…

そんなわけで左耳が聞こえない僕は誰かと二人で並んで歩く時は自分が左側に立つようにさりげなく位置取りする習慣になっている。しかし、以前、ある人と歩いているといつのまにか立ち位置が入れ替わっていて相手が左側に来ているということがあった。仕方なく曲がり角のタイミングとかで立ち位置を入れ替えるのだが、しばらくするとまた入れ替わっている。

そんなことが何度も続くので、これはおかしいと思ってたずねてみると、実は相手も左耳が聞こえないということで、二人で大笑いした。互いに自分が聞こえる側が、相手は聞こえない側になってしまうので、聞こえる側に回ろうとすると、必然的にこうなるのだ。

そんなわけで、同じ側が聞こえない者同士、たとえば僕と浜崎あゆみは、二人で並んで歩きながら会話できないのだ。他にも電車の長椅子とか飲食店のカウンターの座席とか、同じ側を向いて会話しなくてはならないことは結構あるので、これは困る。片方が聞こえない人は意外と多く、統計的にどうかは知らないけれど個人的な経験では100人に1人くらいいてもおかしくない感じ。浜崎さんもこれには気を付けて欲しい。


*1:一次ソースの公式ファンクラブが有料会員制(年会費Aコース6000円、Bコース4000円)なので事実関係は報道を元にしている。