経済対策は商品券より現金でお願いします

新型コロナウィルスによる経済への悪影響への対策として和牛券や旅行券による支援策が議論されていると報道で知りました。私はこのような用途を狭く限定した商品券による特定産業への支援には反対です。経済対策として効果が薄く、公平性の点でも問題があると考えるからです。

たとえば和牛券の場合、和牛券を貰っても消費者の胃袋の容量は同じですから食品の消費量は増えません。和牛を消費することで他の食品の消費量が減ってしまいます。これでは事実上の食品業界から国内畜産業への所得移転になってしまい、食品業界に対して不公平であるばかりか、経済効果も相殺されてしまいます。

もっとも消費者が食費が浮いた分のお金を食費以外の形で消費することにより、経済全体に対しては効果があるかもしれません。しかし、ここで浮くのは現金です。元々商品券を支給するのは現金だと貯蓄に回ってしまう恐れがあるからということではなかったでしょうか。

結局用途を狭く限定した商品券を支給しても経済効果は現金と変わらないのですから、そんなことをするくらいなら現金を支給したほうが事務コストも少なく効果的ですし、公平性の点でも優れています。

どうかご検討をよろしくお願いします。

(初出: 首相官邸のご意見募集フォームへの投書)