P2Pとプライバシー

Winny問題についてのコメントで、他ではあまり触れられない P2P とプライバシーの問題について高木浩光氏(最近では RFID のプライバシー問題についての発言で有名)が触れています。[id:HiromitsuTakagi:20040516] より:

積極的に他人のプライバシーを侵害する目的で、そのような自作のコンテンツを放流するという行為がなされる可能性があり、それが憂慮される。たとえば、そこそこ名を知られた人がトイレで用を足しているところをビデオカメラで撮影し、その映像を放流するといった行為がそれに該当する。そういうことが起こり得ると認識することによって、人々の生活様態事態までもが制約されていくことにさえなり得る。

そうした事態がまだ起きていないかどうかはわからない。いまのところ報道されてはいないと記憶しているが、既に起きているが広く知れ渡っていないだけの可能性もある。少なくとも「善良な」マスメディアは、被害を拡大させるという理由で報道を控えるだろう。

「善良な」は皮肉混じりかな。一方では他人のプライバシーを切り売りして儲けている業界でもあるので。可能性があり、となっていますが、Winny でもキンタマウィルスとは別に、被写体の住所氏名とされるものがファイル名に含まれた画像ファイルなどをかなり見かけますし、本物か捏造かはわかりませんが個人的に撮影したと思われるポルノ画像の類は沢山あります。っていうことは善良な市民が公の場で言ってはいけないことかもしれませんが。。。

高木氏の議論はここから P2P ネットワーク上での情報の削除についての技術的な議論に進みますが、プライベートなポルノ画像なんかの場合だと、見たい人はいっぱいいるので多数決による削除はダメだし、被害者に削除要求権があっても本当に権利者かどうかを確認することで二次被害が発生してしまいます。実際 P2P どころか Web や場合、によっては一般メディアへの流出さえも泣き寝入りになっている例があります。それに被害者が被害に気付いた時は既に情報が相当に拡散した時点だと考えられますので削除権では不十分かも。