住所登録義務化撤回

今さらですが書きかけで放置してたのを清書。

とりあえず住所登録の「全面義務化」はナシということ、そしてなによりも誠意ある対応をして頂けたということで、一安心です。

選択制を基本方針にして仕切り直し、現行サービスについては当面は登録不要とする、ということで、これで終わったわけではありませんが、当初の強行突破を予感させるような状況からは大きく前進したと思いました。

ウエディング事件の時に問題になり、今回の件への不信感の原因にもなっていた「法的拘束力がない照会」への対応について原則開示条件に含めないとしたのは評価できると思います。

こういった個別の方針転換もさることながら、はてなの事業理念や運営ポリシーを「宣誓」する形で利用者に歩みよろうとする態度に心を打たれました(ちょっと甘いですかね?)。

今回の住所登録問題の結論を考えるにあたっては、株式会社はてなが、そもそも何を目的として「はてな」というサイトを運営していくのか、という根本的問題を避けては通れませんでした。

今回の検討をするにあたり、以下の2点が大きな目的であると改めて認識しました。

  • ユーザーに価値あるサービスを提供すること
  • 社会に価値あるサービスを提供すること

利益を最優先する考え方ではなく、ユーザーの皆さんやはてなをご利用頂ける方々に喜んで頂けてこそ、はてなはその存在価値を発揮できると考えています。

「所詮は営利企業なんだから利益の最大化・リスクを最小化を目指すのは当然」みたいな意見もあり、それはそれでもっともなんですが、金儲けの方法はいくらでもあるのになぜこの事業なのか、なぜエロサイトではなくて人力検索やブログなのか*1、フツーはその選択の根拠として事業理念ってものがあるだろうとは思うのです。

ていうかあって欲しい。じゃないと先の見通しが立たないもの。いつでも出ていけばいいやと思っていれば先の見通しなんてどうでもいいかもしれないけど、コミュニティに惹かれてはてなに流れ着いた僕としてはそういうわけにはいかないし。一人一人は自由に出入りするとしてもコミュニティ全体がまるごとどこかに引っ越すというのは難しいわけで、大抵は単にコミュニティが崩壊して終わってしまうわけです。そういうのは過去にも経験してるけど本当に悲しいものです。

*1:James Gosling は「金儲けしたいだけならエロサイトでも作るよ」と言ったとか。