再犯率、加害者の人権

以前『犯罪白書』で調べた時は性犯罪の再犯率が特別に高いということはなかった([id:rna:20040608#p1])のですが、新聞やテレビでは既成事実化されています。テレビでは大澤孝征が「(アメリカでは)科学的にはっきりしている」というような事を言ってたし、テリー伊藤は40%という数字を挙げていました。そのうち新聞や雑誌なんかでも色々出てくるだろうけど信頼できる数字はどれなのか。性的な動機とされる猟奇殺人では何度も繰り返すタイプの犯罪者がいるのは事実だろうけど、これは性犯罪一般とは違うと思うのだけど。

ミーガン法のような制度は「加害者の人権より被害者の人権、さらには被害者になるかもしれない人たちの人権」という理屈で正当化されるのだけど、一度処罰された加害者は理屈の上では既に犯した罪を償った普通の人なわけで、加害者というよりは「まだ加害者ではない(が、今後加害者になるかもしれないと思われている)人」のはず。

そうじゃなきゃなんのための処罰なのかと思うが、今後は社会復帰後の監視も含めて一つの刑罰にしよう、刑務所を出ても刑は続行しようということなのか。要するに放し飼いの終身刑みたいなもの? 技術の進歩でそういうことが可能になった、死刑や終身刑よりは人道的でしょ、ってこと?

にわかに反論できない考え方だけど直観的にはすごく嫌なものを感じる。よく死刑より終身刑は残酷じゃないかって話があるけど、放し飼いの終身刑はもっと残酷かもしれない。