予防原則

マルチリスク下では単純な「予防原則」は成り立たないという話。

市民運動系の人の言う「予防原則」にどうも納得いかないと思っていたのですが、こういうふうに整理されるとすっきりしました。

でも新技術に対する反対運動をする側ははなからマルチリスクであるということを納得してないのかもしれない。今までなくてもやっていけたのにリスク増やすなよと、そういう感覚かも。新技術を使えば今まで救えなかった100万人を救えるようになると知ってしまった上でそれを使わないという選択をするなら、やっぱり100万人見殺しにしたってことになり、今まで通りじゃん、とはなかなか言えないと思うのだけど。

しかし一方で、その100万人は他の方法で救えないのか、というのはあるかもしれない。営利企業の場合、手持ちの技術を最大限利用してよりうまみのある(低コストで、実入りが大きく、他社よりも速く開発できる)技術を選択するだろうから、必ずしもその100万人を救うのに最適な方法を探すというふうには動いていない。より大きな視点でリスクの最適化をはかるためには外部の専門家がチェックするしかないと思う。



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