「クニミツの政」インフルエンザ問題

以前触れたクニミツの政」のインフルエンザ脳症問題、その後連載の方では慶応大学病院の医師近藤誠氏が出てきて「厚生省による薬害」を主張したりして物議を醸しているそうです。

なんかぐだぐだになってるところもありますが、こういう議論が起こるのはよいことだと思います。ちょっと気になったのは「クニミツ」に「両論併記」や「不偏不党」みたいなものを求めてる人がいること。間違いを正すのはいいし、取材不足を批判するのもいいけど、一定の立場に立った発言自体がダメというのはおかしい。

こういう批判に対して講談社側が安易な折れ方をして単に連載中止みたいな形にならないよう願います。「クニミツ」の今後の連載の中で批判にはちゃんと答えて欲しい。ここでクニミツが一度挫折するようなストーリーになったらゴー宣の『脱正義論』みたいで面白いかなと思ったり。

ちなみに僕はテレビとかの情報でインフルエンザワクチンはあまり意味がないと思い込んでいたので、正直最初に読んだ時は近藤医師の話を結構マジに受け止めてしまいました。陰謀論になっていくところはさすがに言い過ぎだと思ったし、こういう言い過ぎをする人の言葉は裏をとらなきゃなとは思いましたが。。。

以下インフルエンザワクチンについて僕が誤解してた点を中心にメモ。

ワクチンの効果:

  • ワクチンの予防注射では喉の粘膜などからの感染(ウィルスの侵入)は防げない。
  • しかし、侵入したウィルスが広がって肺炎などの重い合併症が出るのは防げる。
  • また、高齢者や幼児など発症しやすい人たちでは発症を抑える効果が確認されている。
  • ワクチンの生産には時間がかかるのでその年に流行するウィルスの種類を予測して生産する必要がある。
  • ワクチンは種類の違う(違いの大きい)ウィルスには効果がなく、予測が外れれば効かないことがある。
  • しかし、最近では予測精度が上がっており、ここ10年ほどはほぼ的中している。

ワクチンの副作用:

  • ワクチンの製法が変わって1972年以降は副作用が少なくなっている。平均すると十分安全。
  • ただし、製造で使われる卵の成分によるアレルギー反応がありうるので、強い卵アレルギーのある人は避けた方がよいことがある(医師と相談すること)。
  • また、約100万人に1人の確率で原因不明の重い神経障害が発生する。これは今のところ避けられない。

ワクチン集団接種が廃止された理由:

  • 効果がないから義務化をやめたわけではない。
  • 個人の判断と責任で接種を選択できるように改められた。
  • リスクの高い人(高齢者)の予防接種を優先的に補助する意味もある(と思う。制度ができたのは平成13年からだけど)。

以上についてのソース: