宗教行為

 教え子の女子中学生の胸などを触ったとして強制わいせつ罪に問われた鹿児島県薩摩川内市の男性神主(36)に対する判決公判が16日、鹿児島地裁川内支部であり、冨田敦史裁判官は「宗教行為と認める余地があり、性的意図を認めるには合理的疑いがある」として無罪を言い渡した。
 判決などによると、男性は教派神道の一派、御岳教の教会の神主。2002年10月18日夜、家庭教師をしていた公立中学3年の女子生徒=当時(15)=に対し、教会内で約30分にわたり胸や陰部付近などを手で触った。
 男性側は一貫してわいせつ目的を否定。「邪気を払う伝統的な宗教行為『お済度』であり、性欲を満足させる意図はなかった」と主張していた。
 冨田裁判官は、男性が女生徒から腹部の手術痕を見せられたことや、女生徒の学校での試験成績が悪かったことなどを挙げ、「かわいそうに思って本格的に『お済度』をしたものであり、男性の供述は合理的である」と述べた。

なんでそうなるのやら、と思ったらこんな話が

殺人の場合、どんな意図で殺そうとも殺人です。
宗教行為だからといって殺人が正当化はされないわけです。

ただ、強制わいせつ罪だけはちょっと特殊なのです。

「刑法176条前段のいわゆる強制わいせつ罪が成立するためには,その行為が犯人の性欲を刺激興奮させまたは満足させるという性的意図の元に行われることを要」するという最高の判例があるためです。

つまり、被告人の行為が「性的意図」に出たものであることを積極的に認定できないと無罪になるわけです。

うーん、この理屈だと被害者の精神的苦痛とか関係なしってことでしょうか。変なの。保護法益はなんなんだろう? 最高裁まで争って判例くつがえしてもらうか、それがだめなら業務上過失わいせつ罪(?)でも作ったほうがいいのかも。

もっとも Grebeweb さんの追記にもあるように、被害者は15歳(当時)だから、親が告訴してるんでしょうねたぶん(強制わいせつは親告罪)。被害の実態がどうなのかいまいちよくわからない。被害者に被害感情があるなら民事訴訟起こしたら勝てるんじゃないかなぁ。



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