中西準子氏が「雑感」で書いた内容について名誉毀損で訴えられた件、どうも単に「言ってないことを言ったように書かれて迷惑」という話ではなくて、環境ホルモンに対する立場の相違が背景にあるようです。
- 名誉毀損で提訴される?(中西準子 雑感297)
- 原告側弁護人の出したプレスリリース (化学物質問題市民研究会掲示板) via: なんか、変...
中西準子 雑感297より:
もう、20年近くも前になるか、愛知県境川流域下水道の裁判で、私は流域下水道反対の住民側に立って証言をし、松井さんは、流域下水道賛成で、愛知県(旧建設省がバック)側証人で出廷していた。また、対決ですかね?
原告側プレスリリースより:
2.提訴に至った理由
本件は、決して、松井氏が個人的な名誉回復だけを求めて提訴したものではない。松井氏が提訴に踏み切ったのは、次のような理由からである。
(中略)
(2)さらに、中西氏は、「環境ホルモン問題は終わった」と考えておられるようであるが、これは大変な間違いである。松井氏らの研究成果からも、環境ホルモン問題は、複雑ではあるが、人の健康や生態系にとって、決して看過できない重大な問題であることが明らかになっている。したがって、今後も、ますます精力的に研究を進め、有効な対策を講じることが求められている。中西氏のように、国の科学技術のあり方を決定する立場の人が、そのような誤った認識を持ち、その結果、国が政策決定を誤ることになれば、国民の健康や生態系に取り返しのつかない事態も招来しかねない。特に、次世代の子どもたちの発達や健康への悪影響が懸念される。近年、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害やアトピー、喘息などのアレルギー児が増加しているが、その原因のひとつに環境中の化学物質の影響が懸念されているのである。松井氏は、研究者として、国民の一人として、中西氏のこのような誤りを断じて見過ごすことはできないものと考え、貴重な研究時間を割いて、敢えて本件提訴に踏み切ったのである。
法廷で環境ホルモンについて科学的論争が繰り広げられることになるのでしょうか? 横浜地裁でやるみたいだし傍聴してみたいかも。
追記: もちろん筋違いです
[id:swan_slab:20050327#p2] より:
今後の裁判に環境ホルモンについての科学論争を期待するなら気持ちはわかるが筋違いといわざるを得ない。
筋違いなのは承知。でも原告側プレスリリースが「松井氏が個人的な名誉回復だけを求めて提訴したものではない」云々と筋違いな事を言ってるので期待してしまうわけです。たとえば、報道によると研究にも影響が出たということなので、損害の大きさを決めるのに中西氏の発言の影響分と単に科学的に妥当な評価による影響分を腑分けする過程で科学的議論がなされるとか、双方にその気があればそういう応酬はあり得るのでは? 度が過ぎると裁判長が止めちゃうかもしれませんが。