二次創作における性的表現について

vr6ubqg さんの男性向けエロ同人批判? に関連して。同人誌に特に興味がなくコミケに行ったこともないので全く的はずれかもしれないけど、とりあえず思いついたことをメモ。

ざっと見た感じでは vr6ubqg さんは女性向け同人誌は作品世界への思い入れをベースにエロを描くが、男性向けにはそれがなくてとにかくエロければいいみたいだが、二次創作の楽しみ方として理解に苦しむ、というスタンスなのかな。

「エロが欲しいなら二次創作じゃなくていいじゃん!」という話になるのかなぁ。というか「単純なエロのためにキャラを借りるのはそれはキャラへの愛なの?」という話か。女性向二次創作の方がそこら辺を真剣に考えていると思うのです。
コミケ男性向女性向まとめ

二次創作である必然性はたぶんある。というのは例えば綾波レイなら「あの綾波レイがこんなことを!」みたいなところにエロスを感じるから。「あの」というのが重要。

おそらく、男性向けエロ同人の消費者には、過去に作品の鑑賞を通じてそのキャラに対してエロティックな欲望を抱いたという個人的経験があり、その時には満たされなかった欲望を満たしたい、と思っているのではないか。夢を叶える、というと大袈裟だが、そういう感覚が求められており、単純な脈絡のないエロではそれは満たされない。

もっとも、作品に接した際に生じた元々の欲望には作品世界との深い繋がりは必要なく「キャラとそれに欲情した自分」という二者関係で閉じており、二次創作には原作品との整合性がさほど要求されないのではないか。表現上は原作品のキャラ同士の性的関係として描写されていても、消費者はその片方を自分に置き換える形で消費することになる。

一方、女性向け同人、というよりはヤオイ本の場合、消費者の妄想は「作品世界のキャラ間の性的関係と、それを観察し欲情する自分」という構造になっている*1ため、作品世界への依存度が高い。そのため二次創作と原作品との(というか個人的な作品理解との)整合性が強く求められ、作品理解に対する拘りが二次創作に表現されやすいのではないか。この場合、絡み合う原作品のキャラたちはあくまでそのキャラであり続ける。

結局、

まとめると、妄想体系の構造的な違いが二次創作における表現の差としてあらわれているのではないか。単純に作品やキャラに対する愛情が深い/浅い、健全/不健全というような話でもないと思った。

ただ、二者関係に閉じない分、ヤオイ本の方が創造的なひろがりを伴いやすい、というのは可能性としてはあるのかもしれない。けど、ヤオイ本はほとんど読んだことがないので本当のところはわからない。



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*1:らしい。80年代末に後輩の腐女子な高校生から聞いた話。