昭和天皇の口調について

16日の日記のコメント欄 にて、ni0615 さんから、岡崎久彦氏がチャンネル桜の番組「大同無門」で富田メモについて喋った様子が YouTube に貼られているのを教えていただきました。

最初の5分しか見れてませんがとりあえず。。。

まず岡崎氏は富田メモの公表されたページの下の方に書いてあった「関連質問 関係者もおり批判になるの意」についておかしいと主張しています。

下の二行の言ってることはですね、そういうことを言うとですね、関係者がまだ生きてることだから、迷惑、批判がましいな、ということが書いてある。これが何の意味かわからない。これがね、天皇陛下がそういうことをおっしゃったというのは、いかにもおかしいんでね。
富田メモへの疑惑と秦郁彦の怪しさ#1 岡崎久彦の発言(00:12)

おかしいでしょうか? しかし、実は陛下の会見で似たような発言が過去にありました。

記者 陛下に一つおねだりをしようと思いますが……。終戦当時の思い出話、当時のエピソードを何かお聞かせくださいませんか。
天皇 エピソードね。それは当時の人たちや、家族がまだ存命中なので、ここでいうことは批判になるから、今いうべきではないと思っています。
昭和44年9月8日 那須御用邸・参殿者休所 での会見記録。高橋紘『陛下、お尋ね申し上げます』p140 より。

まさに「そういうこと」をおっしゃっていますね。。。


次に「そうですがが多い」は昭和天皇の言葉として不自然という話で、

「そうです」という言葉は天皇陛下は使われませんからね。「そうだ」とおっしゃるんです。僕は知ってますけどね。ですます使いませんからね。
富田メモへの疑惑と秦郁彦の怪しさ#1 岡崎久彦の発言(01:48)

上で引用した『陛下、お尋ね申し上げます』に載っている会見記録では「ですます」を使っています。同じ会見でですます調とである調が混じっていることもあります。これらの記録が陛下のお言葉そのままなのかよくわからないし、相手との距離感で変わってくることかもしれませんが、いずれにせよ「ですます調は使わない」というのは疑問。

本題の「そうですがが多い」は僕もよくわかりません。たぶんメモの上の方にあった「中曽根の靖国参拝もあったか / 藤尾(文相)の発言」のあたりで過去の閣僚の発言についての話があって、「××は○○と言ったそうですが」のような伝聞形のお言葉が多かったという意味ではないかと思いますが。