ちょっと江島健太郎を Dis っとこうか

前後の流れを知らずに書きますが、、、

まず、「ワタシはこの技術が絶対に次にくると思う」っていう言明には意味がない。ビジョナリーぶって色々なところにツバつけておいて、将来に「ほらね」って言いたいだけだ。悪いけど、それがどんなに先鋭的な専門分野であれ、口には出さずとも同等以上にわかってる奴はつねに100人はいる。それを論文にまとめたりブログに書いたりできるやつが10人ぐらいいて、本気でそれの実現に自分の人生を賭けるやつは1人しかいないっていうだけのことさ。
グーグルが無敵ではないことはエンジニアだけが知っている (江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance)

この一節にシビれる人が多いみたいだが、自分の人生を賭ける1人ってエンジニア? それとも投資家?

技術論やイノベーションを語る上で、エンジニアの士気や好奇心やモチベーションほど重要なものはない。てごわい大きな機能を実装するときには、まず関係のない小さなバグを2つ3つ潰したりして準備体操し、乗ってきた勢いにまかせてワーッと書く。文章を書くときだって、音楽をつくるときだって、グッとくる言い回しがひらめいたり、かっこいいリフが頭に浮かんだり、そういうときの嬉しさに乗じて一気に書き上げてしまうもんじゃない?エンジニアにとっては最も素朴な意味での好奇心がダントツに重要で、いったん好奇心が失われたら研究費を1000億積もうがどんな手を打とうが無駄なんだ。どこぞの研究所の所長さんゴメンね、でもこれが現実なんだ。
グーグルが無敵ではないことはエンジニアだけが知っている (江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance)

まあそういう面はあるけれどさ、1000億も積まれたら別でしょ。「コレの何に1000億の価値があるのか?」ってとこに好奇心持たなきゃダメでしょ。人として。端金じゃないんだから金出す人は必死でしょ。スーツの人だって命賭けてるわけだ。ただの勘違いでそれだけの金は積めない。

ギークな人には偏屈な人が多くて自分の興味の範囲外の事にはまるで価値がないように振る舞いがちだけど、金が動くってことは世の中的には価値があるってことで、ニーズがあるってことだ。要するに金に興味がないってことは社会に興味がないってことと一緒なんだ。

なんかああいう書き方されると、ギークはユーザーの事なんて考えません! 好奇心だけがモチベーションです! 好奇心があれば世の中どうなろうと知ったこっちゃありません! ××法違反? 人権侵害? 関係ないね! みたいな? そういう脱社会的(©宮台真司)な人間像を思い浮かべずにはいられないのだけども…!でも実際はそうじゃないよね。

ギークが傲慢なのは構わないけどそれならそれで「なにそれ、みんなこんなくだらないことで悩んでるの? こんなの1000億出してでも解決したいの? じゃあ俺様がなんとかしてやろうじゃないの」くらいのノリでやってもらえませんかね、せめて。「ギーク」はどうだかしらないけど「エンジニア」ってわりとそんなもんじゃないですかねぇ。

あと、思うんだけど、エンジニアに限らずアーティスト以外の人ってなんでアーティストっぽく振る舞おうとするかな。そのほうがモテるから?



ちなみにチャットがコアだってのは同意、とビジョナリーぶって言ってみるテスト。僕がカナ入力やめられなくなったのは大学のネットコミュニティでチャットにハマってからだし*1。しかも NeXT カナ配列じゃないとダメな淫らな体になってしまって、パッチ当てた ATOK X が手放せないし。。。

*1:カナ入力を始めたのは MZ-5500 がローマ字入力オプションだったから。