神を信じるのは合理的か否か、というと「パスカルの賭け」を思い出す。神を信じた時のリターンは無限大になる(永遠の命が得られるため)ので信じるほうが有利な賭けだという話。神が存在しても神を信じないからといって特にバチは当たらないものとして、リターンを表にするとこうだ。
神は存在する | 神は存在しない | |
---|---|---|
神を信じる | プラス無限大 | a (≧ 0, 有限) |
神を信じない | b (> a, 有限) | b (> a, 有限) |
要するにこれは神の存在する確率がどんなに低くてもゼロでない限り神が存在する方に賭けると期待値が最大になるという話。しかし神の存在確率を計算する根拠がない(前回書いた通り)ので客観的には成り立たないと思う。
また、どの神を信じればいいのかという観点からすると選択不可能であろう*1。一神教の神で「信じなければ永遠に地獄の火に焼かれるであろう!」みたいなおっかない神の場合、表はこうなる(苦痛をマイナスのリターンとするならば)。
神は存在する | 神は存在しない | |
---|---|---|
神を信じる | プラス無限大 | a (≧ 0, 有限) |
神を信じない | マイナス無限大 | b (> a, 有限) |
そんな(自称)神が複数目の前に現れると大変困ったことになる。一神教なので同時に二つの神を信じるわけにはいかない。プラス無限大の選択だと思って信じた神が実は偽物だとマイナス無限大の選択になってしまう。どの神が本物なのか(あるいは神などいないのか)という確実な情報がない限り期待値は確定できない。*2
というような事を適当に思いつきで書いてみたが、今更な話かもしれない。なにしろ300年以上前の話だし。詳しい方は適当に烈海王メソッドを発動してみて下さい。
*1:「パスカルの賭け」の欺瞞(幻影随想 別館) の神か悪魔かの話を一般化すると以下の話と同じになると思う。