歯車

閃輝暗点を調べた時にあちこちで触れられていた芥川龍之介の小説『歯車』青空文庫からダウンロードして携帯で読む。これがケータイ小説か! (違う)

1ファイル形式なので途中から読み直すのがえらく面倒で、まだ半分しか読んでないけど歯車が出てくるシーンは読んだ。

僕は又はじまつたなと思ひ、左の目の視力をためす為に片手に右の目を塞いで見た。左の目は果して何ともなかつた。しかし右の目の瞼(まぶた)の裏には歯車が幾つもまはつてゐた。
芥川龍之介 『歯車』 (青空文庫)

なんか同じことしてて笑った。でも彼の場合左目には見えないということなので脳の貧血を起こしている部分が違うのかも。歯車というのがあの円弧だとすると複数見えているのか。それとも円弧の縁にある小さなぎざぎざもわもわしたあれを歯車と言っているのかな?

これだけ確認できればと思っていたけど、冒頭のこのシーンに萌えたので最後まで読む予定。

それから又僕の隣りにゐた十二三の女生徒の一人は若い女教師の膝の上に坐り、片手に彼女の頸を抱きながら、片手に彼女の頬をさすつてゐた。しかも誰かと話す合ひ間に時々かう女教師に話しかけてゐた。
「可愛いわね、先生は。可愛い目をしていらつしやるわね。」
 彼等は僕には女生徒よりも一人前の女と云ふ感じを与へた。
芥川龍之介 『歯車』 (青空文庫)

たまたま見かけた風景の描写なのでこういうのがまた出てくるとは限らないけど。