ポール・クルーグマン『格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略』

格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略

格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略

アメリカの格差社会は経済成長の結果ではなく政治的に作られたものだという主張。クルーグマンによれば、そもそも自分たちの世代が育った比較的格差の少ない時代はニューディール政策による「大圧縮(格差是正)」の賜物でアメリカ史上例外的なもの。保守派の巻き返しで広がった格差を是正するような政策が必要だと説く。

これらすべてを含めて言えることは、「平等の結果ではなく機会均等を」という基本理念は聞こえは良いが、それはほとんど虚構の対比だということだ。結果に大きな格差をもたらす社会は、必然的に、機会においてもまったく不均等な社会なのだ。もしすべてのアメリカ人がスターと時点から同等の機会を与えるべきだと強く信じているなら、それは格差をどのように軽減するかという議論になるはずである。
p208

(初出:メディアマーカー)