畝山智香子『ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想』

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

これはよい本。

もっとも、メッセージは一般向けだけど、記述は理系向けのところが多々あり。高校の生物くらいは憶えてないと辛いし、略語や数字の密度が高いところでくじけない(あるいは適度にスルーする)くらいの力は必要。一番読んで欲しいのは理科や数学の苦手な母親たちなんだけど… 理系な父親と一緒に読むといいかも!?

まあ、拾い読みするだけでも読む価値があるし、前書き後書きを読むと、専門知識のある人からはメディアや口コミで流れる健康情報がいかにいびつで危険なものに見えるかというのがよくわかるので、それだけでも感じてほしい。理系男子が同じ事言っても通じないだろうけど、女性として母親として科学者として発せられた言葉は重みが違うと思うので。

ところでイラスト(風刺マンガみたいなの)のクレジットが見あたらないのだけど、ひょっとして畝山さん自分で描いたのかな?

(初出:メディアマーカー)