PC 故障を機会に、未練たらしく使い続けていた Fedora Core 5 をやめて Ubuntu 8.04.1 入れました。
Hardware
その前にインストール先の PC のスペックを。
CPU | AMD Athlon64 3500+ EE(35W) | サブマシンで以前使っていたもの |
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MB | GIGABYTE MA78GM-S2H (780G/SB700) | 新規購入 |
MEM | DDR2 800MHz (PC6400) 1GB x2 | 新規購入 |
HDD1 | Seagate ST3500320AS (500GB SATA 3G) | 新規購入 |
HDD2 | Seagate ST3250620A (250GB IDE) | メインマシンより引き継ぎ |
DVD | Panasonic LF-D321 | メインマシンより引き継ぎ |
CASE | SUNGMIN PROMAGIC CS106025 | メインマシンより引き継ぎ |
POWER | ENERMAX EG365AX-VE 350W | メインマシンより引き継ぎ |
CPU COOLER | SCYTHE SAMURAI Z Rev.B | 新規購入 |
ケースと電源以外ほぼ総入れ替え。ケースと電源は2002年購入だから、もうまるごとかえたほうがよさそうだけど、コミケ帰りに持ち帰るには重くて面倒なので買わなかった。
この構成で SATA の 1 番に繋いだ HDD1 に Ubuntu をインストールして、IDE のプライマリ(といっても1チャンネルしかない)マスターに繋いだ HDD2 に入ってる FC5 とデュアルブートにするのが目標。
OS インストール
インストールCDはUbuntu 8.04.1 LTS 日本語ローカライズド Desktop CDで、あらかじめサブマシン(Windows XP 機)で焼いておいた。Ubuntu 本家のフォーラムで 780G でインストール時に X が動かなくて alternate CD 使ったとかいう話もあったのでびびってたけど、結局トラブルなくインストールできました。ただし、標準のビデオドライバでは解像度は 800x600 まで。
インストール後ログインすると、てんてってんてっててんっててん…とか音楽が鳴ってデスクトップが現れます。サウンドドライバがちゃんと機能してる証拠です。
HDD は二つともなぜか SCSI デバイスとして認識。HDD1 が /dev/sda、HDD2 が /dev/sdb に。インストール後の GRUB には FC5 の起動項目が追加されていました。HDD1 を繋いでも FC5 からは HDD2 が /dev/hda として見えていたので、BIOS で起動ドライブ変えてもデュアルブートできる状態でしたが。
ビデオドライバのインストール
インストール後にログインするとさっそく「ATIの高性能グラフィックドライバ」(fglrx)があるよ、でもフリーじゃないから Ubuntu ではメンテしないよ、という通知が出てきて、これを入れました。インストール後デスクトップの解像度を 1280x1024 に変更したところ無事表示できました。
が、ログアウトしてログイン画面に戻るとなぜか画面解像度が 1600x1200 になって液晶モニタ(BENQ FP93GX)の限界を越えてしまいました。一応表示はされているものの、モニタが限界越えてますという警告表示が、ちょうどユーザ名/パスワードの入力欄にかぶる形でオーバーレイして困りましたが、初期状態で入力欄にフォーカスが当たっているので通常のログインには支障はなく、ログイン後は通常の解像度に切り替わるので作業を続行できました。。。
これは結局 /etc/X11/xorg.conf を直接編集する必要がありました。以下の SubSection から EndSubSection の部分を追加。
Section "Screen" Identifier "Default Screen" Monitor "Configured Monitor" Device "Configured Video Device" Defaultdepth 24 SubSection "Display" Modes "1280x1024" EndSubSection EndSection
OS のアップデート
最初にログインした時にさっそくアップデート通知が来ていたので指示に従い全部入れました。パッケージのダウンロードサイトの応答は良好で 10Mbps 以上出ていたと思います。10分ほどでアップデート完了。
ちなみにビデオドライバのインストールもそうでしたが、インストール作業は OS インストール時に作った一般ユーザでログインして、セットアップ系のアプリを実行すると、そのユーザのパスワードの入力を求められて、認証に成功すると以後 root 権限の作業ができるようになっています。要するに sudo ですが、GUI でこれをやられると Mac OS X と一緒だ、すげー! ってなりました。
日本語版セットアップヘルパ
日本語ローカライズ版にはこれがありますが、特に自動通知はなくて、デスクトップメニューの「システム - システム管理 - 日本語版セットアップ・ヘルパ」から手動で起動。ここで Adobe Reader 用フォントや Pidgin、RealPlayer、日本語対応 unzip などを追加。
アプリのインストール
大抵のものは最初から入っているか、Ubuntu の GUI パッケージマネージャ Synaptic で簡単にネットワークからインストールできました。
Firefox3, OpenOffice.org, Evolution, GIMP なんかは最初から入っていました。Adobe Reader 8、Sun JDK 1.6、Eclipce 3.2、等々、全部 Synaptic から簡単にインストールできました。Adobe Reader は Firefox 3 のプラグインも動作しています。
マルチメディア系アプリ
FC5 では特許の関係で MP3 がオプションだったり、動画も基本的に MPEG 以外オプションでしたが、Ubuntu の Totem 動画プレーヤーは wmv なんかを再生しようとするとオプションのコーデックをインストールするか尋ねられて、インストールを選択すると1分程で再生できるようになりました。大抵のものは再生できる感じ。
ただしTotemの画質はいまいちです。インターレース除去が綺麗にできません。Blend にしたいのですが、そういう細かい設定がない。あと表示系が重いのかDVDハイビジョン(地デジ相当の 1440x1080 MPEG2)はまともに表示できません。VLC ならなんとか再生できます。CPU 使用率100%いきますが。VLC も Synaptic から簡単にインストールできます。
ちなみに音声出力はデフォルトでは音が出ないアプリもありました。が、全部 Alsa ドライバを選択するように設定してやると普通に音が出ます。FC5 の頃は同時に音が出せないアプリとかあったんですが、ちゃんとミックスされて音が出ます。Rhythmbox で MP3 再生しながら YouTube 見たりもできます。
あ、Firefox の Adobe Flash プラグインは最初から入ってたかな? ひょっとしたら apt-get install flashplugin-nonfree したかも。Synaptic からもインストールできるはずです。
日本語入力
SCIM-Anthy が使えます。英語キーボードで NeXT カナ配列のカナ入力という変態な僕は、以前は patch を当てた ATOK X を使っていたのですが、SCIM-Anthy はカナ配列のカスタマイズができるようなので、このまま使ってみました。カナ配列のカスタマイズは GUI の設定画面で5分ほどで設定完了。変換効率はやはり ATOK には及ばない印象ですが、MS-IME くらいには迫っている感じ。辞書の語彙などは問題ないレベルです。
日本語フォント
デフォルトで IPA モナーフォントとVLゴシックが入っています。デフォルトではアンチエイリアス表示で、一般的には十分な品質だと思います。たぶん。僕はフォントのアンチエイリアスはダメな人なのでよくわかりません。。。
その他もろもろ
大抵の人はこのくらいで OK なんでしょうが、個人的な事情でどうしても譲れないところがいくつかあります。そういう部分の設定が一番苦労するのですが。。。
システムモニタ系
自作PCですので CPU 温度とか HDD 温度とか気になります。sensors-applet (GNOME のアプレット)と lm-sensors (コマンドラインツール)を入れておきました。これだけだと HDD の温度は見えません。sensors-applet の推薦パッケージとして出てくる hddtemp を入れると S.M.A.R.T で検知される HDD 温度も表示されるようになります。どれも Synaptic でインストールできます。
フォント
繰り返しますが僕はフォントのアンチエイリアスがダメな人で小さなフォントがアンチエイリアスでつぶれてるのを見るとイライラしてきます。で、さっそく「設定 - 外観の設定 - フォント - 描画方法」でモノクロ(アンチエイリアスなし)を選択したのですが、これをやると小さなフォントがふにゃふにゃのすげー情けない文字になってしまいます。がっくり。Mac OS X もそうだったのですが、そのせいで Mac 使いになる気が削がれたくらいで。。。
そんなわけで MS 明朝、MS ゴシックのインストールをしてみたのですが、これもふにゃふにゃになってしまいます。どうもこれらの TrueType フォントに入っている埋め込みビットマップフォントが使われていないようです。
色々調べて、結局 fontconfig の設定ファイル ~/.fonts.conf を書くことで解決しました。こんな感じ。
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <match target="font"> <test name="pixelsize" compare="less_eq"> <double>24</double> </test> <test name="lang" compare="contains"> <string>ja</string> </test> <edit name="embeddedbitmap" mode="assign"> <bool>true</bool> </edit> <edit name="antialias" mode="assign"> <bool>false</bool> </edit> </match> </fontconfig>
日本語を含む 24 pixel 以上のフォントは埋め込みビットマップフォントを使うという設定。ちなみになぜか斜体だけアンチエイリアスがかかってしまいます。/etc/fonts/conf.d/ の下のどこかでそういう設定があるのだと思いますが、ビットマップフォントから生成された斜体は読みづらいのでこれでいいことにしています。
Emacs
Emacs がないと生きていけません。Ubuntu デスクトップには最初は入っていません。emacs, emacs-env-ja, emacs-intl-fonts あたりを Synaptic からインストールします。しかし Emacs は基本的には古き良き X のアプリなので、フォントや日本語入力の設定に今時の Gnome アプリとは別の配慮が必要になります。
日本語についてはデフォルトで anthy-el が使えますが、こいつは SCIM-Anthy で設定したカナ配列のカスタマイズは無視されます。Tamago の時みたいに elisp でかな配列を設定できますが、設定が二重になるのも嫌だし、候補表示や単語登録が Emacs だけ別になるのも気持ち悪い(ATOK X の時は XIM で入力していたのでそのへんは統一されていた)。
そこで、scim-bridge.el を使うことに。これは Synaptic や apt-get ではインストールできません。ソースを落としてきて .emacs で設定する必要があります。これで SCIM-Anthy から Emacs に on-the-spot 入力できるようになりました。すばらしい。今もこれを使って書いているわけですが、ちょっと不安定。
- .emacs で (scim-mode t) するとエラーになる。
- 未確定文字列がある時に一部キーを押すと妙なことになることがある。
- 予期しない位置にカーソルが飛んだり。うまく説明できない。。。
- 現象をちゃんと把握したらそのうちなんとかするつもり。
- Gnome デスクトップのセッションで自動起動すると on-the-spot にならない。
- 時々親指シフトモードに入っちゃう?
- よくわからない。一度なった後は再現してない。
- インクリメンタルサーチ(C-s とか)できない。
- インプットメソッドでなくマイナーモードとして実装されている弊害か?
- search-forward とかで代用。。。
まあなんとかなってます。
あとはフォント。Emacs は Xft 経由ではなく、X で直接フォントをレンダリングします。元々インストールされているフォントは X でも使えますが、フォントディレクトリに TrueType フォントを突っ込んだだけでは、Gnome では使えても Emacs のようなレガシーな X アプリでは使えません。
Ubuntu の、というか Debian 系の Linux では、Defoma という統合フォント管理システムがあって、これを設定するとインストールした TrueType フォントが X から使えるようになります。
を参考にしましたが、hints ファイルの作成は IPAモナーフォントの hints ファイルをコピーして手直ししたものを使いました。こんなのです。
.emacs の設定はこんな感じ。
;;;; フォント設定 (create-fontset-from-fontset-spec "-*-fixed-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-fontset-jp,japanese-jisx0208:-ricoh-gothic-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-jisx0208.1983-*,ascii:-misc-fixed-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-jisx0201.1976-*") ;;;; フレームの設定 (setq initial-frame-alist (cons '(font . "-*-fixed-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-fontset-jp") initial-frame-alist)) (setq default-frame-alist (cons '(font . "-*-fixed-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-fontset-jp") default-frame-alist))
ascii のフォントに MS ゴシック割り当てるとなぜか半角文字が全角幅で表示されてしまうので、ascii は X の -misc-fixed- のフォントを使いました。半角カナもこれで表示できます。
あと、デフォルトの日本語設定ではコピペや Input Method から入力したキリル文字とか一部の記号が日本語フォント以外のフォントで表示されてしまいます。いわゆるハァハァ問題です。って僕しか言ってない気がするが。。。
上の記事の追記に書いた方法で解決しました。ATOK は使ってないのでわかりせんが、SCIM-Anthy からは半角カナもフツーに入力できてます。
EncFs
みんなえっちな動画とか暗号化しておきたいよね! 暗号化ファイルシステム EncFs を使います。Free BSD 版とか Mac OS X 版とかもあるのでよさげ。ディレクトリ単位で暗号化して、見たいときにマウントできます。Synaptic から encfs をインストール。cryptkeeper も入れておくとデスクトップから簡単にマウントできて便利。
ただし、こいつらは気が利かないやつで、GNOME のサムネイルフォルダには復号化された映像のサムネイルが残ってしまいます。とりあえず .thumbnails 以下のフォルダをリードオンリーにしましょう。GIMPのファイルダイアログとかでいちいちエラーになるのがうざいけど。。。あと、一時ディレクトリにマウントする機能が壊れてるっぽい。
POPFile
スパムフィルタに POPFile を使っています。SpamAssassin の方がメジャーだし Ubuntu のサポートが厚いようですが(日本語向けフィルタルールもある)、せっかく育てた POPFile の学習データを使いたい。Ubuntu にも popfile パッケージがあるのですが、
Happy Hacking Keyboard の設定
「システム - 設定 - キーボードの設定 - レイアウト」で HHK が選べるので、やったーって思ったら、Meta キーにシンボルが割り当てられてないの。「レイアウトのオプション」の設定では Meta を Alt に設定できません。本当はシステム側の設定ファイル(XKBの?)を修正するべきなんだろうけど .Xmodmap の追加で逃げました。こんなかんじ。
keycode 131 = Alt_L
そんなこんなで
ほぼ日常環境として使える感じ。FC5 では IDE ドライバの問題で HDD アクセスがむちゃくちゃ重くて実感できなかったのですが、Athlon 64 速えーわ。PowerNow もちゃんと動いてる。FC5 でも動いてたけど、周波数切り替わる時に固まることがあって使い物にならなかった。今は周波数モニタ見ないといつ変わったかわからないくらいスムースです。アイドル時はほぼ 1.0 GHz で動いてます。CPU 温度は室温 28 ℃で 30 ℃くらい。