警察庁の再犯率統計が公開

やっと出てきました。が、再犯者率再犯率の両方が出ていて、報道はかなり混乱気味。

毎日の25%というのは再犯者率です。ようやく報道も再犯率再犯者率の言葉の区別はつけるようになったようですが、他の犯罪との比較にはあいかわらず再犯者率を使っています。言葉は区別できても意味まではわかってないのか?

しかもこれ、下着泥棒、児童買春、青少年保護育成条例違反も含んでいるようで、傷害だけとか窃盗だけとかの再犯者率と比べて大きくなるのは当たり前のような。。。

読売の記事にはもうちょっとややこしく再犯者率から再犯性を議論するくだりがあるのですが、何を言いたいのかよくわかりません。以下に引用しますが誰か敷衍してくれませんか?

女児暴行の2割が再び性犯罪(読売新聞) より:

また、暴力的性犯罪の前歴を2回以上持つ容疑者144人の場合、35・4%(51人)が再び強姦または強制わいせつで摘発されていたのに対し、1度しか前歴のない容疑者の再犯者率は14・4%で、再犯性の高さを統計的にも裏付けた。

さて、肝心なのはやっと出てきた追跡調査による再犯率。子供(13歳以下)を対象とした性犯罪に限定した統計ですが、20.4% という数字が出てきました。

 1997年までの16年間に摘発された「女児対象強姦(ごうかん)事件」の容疑者506人のうち、昨年6月末までに強姦や強制わいせつ容疑で再び摘発されたのは103人で、全体の20・4%を占めた。
(中略)
同庁の科学警察研究所は、82−97年に摘発した女児(13歳未満)対象強姦事件の容疑者527人のうち、死亡や行方不明の21人を除く506人の昨年6月末までの状況を追跡調査した。強姦や強制わいせつで摘発された103人の内訳は強姦が47人、強制わいせつが76人で、両容疑で摘発された容疑者も20人いた。半数近い47人は、13歳未満の子どもを再び襲っていた。

ちょっと微妙なのは「強姦」の次に「強姦や強制わいせつ」という非対称な再犯パターンを見ていること。両方「強姦や強制わいせつ」じゃないのはなぜ? まあ「そのほうが数字が大きくなるから」だと推測しますが。また前者は対象が女児で後者は女児に限らないという非対称性もあり、これも意味がよくわからない。

あと、不思議と報道ではこの統計を「再犯率」と呼んでないのはなぜなんでしょう。サンプルが「容疑者」だから?

via: SOUL Clipper (その2, その3)