志茂田景樹『折伏鬼』

折伏鬼 (1980年)

折伏鬼 (1980年)

グリフォン文庫の電子書籍で再刊したのを読んでいます。元の文春版はグリフォン文庫版の『新折伏鬼の野望』と合わせた内容でしょうか?

志茂田の体験を元にした創価学会をテーマにした短編集です。固有名詞は仮名になっていますが、サイゾーのインタビューで志茂田はそれが創価学会であることを認めています。

http://www.cyzo.com/2012/02/post_9950.html

表題作は志茂田が創価学会に出会い、入信し、辞めるまでの話が自叙伝的に書かれた短編。小説というよりはルポルタージュに近いのかな。二代目戸田城聖の人間像を当時を知る学会員や脱会者を訪ね歩いて描いていく話です。

グリフォン文庫版『新―』には「虚構の覇者」「会長の野望」が収録されています。「虚構の覇者」は小説仕立てで池田大作時代の創価学会で活動する志茂田がモデルと思われる青年部信者の物語。「会長の野望」は「折伏鬼」の続編で志茂田が脱会後、三代目池田大作の人物像を探る話です。

(初出:メディアマーカー)