体罰と校内暴力の件について補足

[id:finalvent:20050930] について。そろそろお開きですが誤解されてそうな部分だけ補足します。

僕は [id:rna:20050929#p3] でデータを引いて主張しているのは「体罰は校内暴力の抑制にはならない」ということではなくて、データは「ここ数年の校内暴力の増加」が「体罰禁止に起因する」という命題(体罰禁止起源説)*1を支持してないよ、ということです。あのデータ(体罰、校内暴力双方共に)には色んなノイズが乗っているというのはその通りで、そこからあまり強い主張を引き出すべきではないでしょう。*2

体罰の是非の議論はあのデータを根拠にしていません。下敷きになっているのは宮台真司藤井誠二内藤朝雄尾木直樹あたりの論者の意見です。

僕が [id:rna:20050929#p3] の後半で言っているのはシステム論というよりはむしろ現場のマネージメント論寄りの話です。システム的な変化のせいで、マネージメント手法の効き方も変化しているので、システムかマネージメント手法のどっちかを変えないとまずいだろうということ。

ストレートに言えば僕は「体罰は校内暴力の抑制にはならない」とは思いません。何かが原因で学校が荒れた時に教師側に何らかの強制力があれば荒れの程度を抑制できるとは思いますし、原理的に何らかの強制力が必要というのもその通りでしょう。しかしその強制力というのが「体罰」であるべきなのか? 今、それでいいのか?


*1:finalvent さんの「ずばり」をリテラルに解釈するとこれになります。真意は違うところにあったようですが。

*2:でも、体罰禁止起源説の再考を促すにはこれで十分だと思います。