赤川次郎『セーラー服と機関銃』

bewaad さんのところでアレはどういう経緯で手に入れた機関銃なのかという話題があった後に一応買っておいたのを帰省の帰りの電車で読みました。

セーラー服と機関銃 (角川文庫)

セーラー服と機関銃 (角川文庫)

映画もテレビドラマも原作もちゃんと見たことがなく、ストーリーはおぼろげにしか知らない状態で、組に代々伝わる家宝の機関銃を跡目を継ぐ女子高生が様々な試練を乗り越え手に入れ抗争の最終兵器として使用する… というような話かと勝手に想像していたのですが全然違いました。

要するに拉致された先の組がたまたま保有していたものを奪った(正確には貰った)もので、とくにいわれのある銃ではなかったのでした。ちなみに原作ではトンプソン・サブマシンガンでした。

男は拳銃を台に置くと、奥の銃架へ行って、トンプソン・サブマシンガンを手に戻って来た。
「見たことがあるだろう」
「ええ、テレビや何かで…」
アンタッチャブル華やかなりし頃の傑作で、あの頃のギャング映画にはつきものだ」
『セーラー服と機関銃』 p281

読者に馴染みのある銃ということで選択されたものかと。

原作は1978年発表ですが、それほど違和感なく読めました。会話が多く細かい描写が少な目だからでしょうか。それでも携帯電話も援助交際もなかった時代なんだなあとしみじみする部分はありました。