在日の無職率は高い?

永住外国人地方選挙権(参政権)付与に反対するメール運動」のサイト(以下運動サイト)

http://www.geocities.com/hinomarukimigayo2004/

ここは [id:rna:20041101#p2] でとりあげた「5人に1人が生活保護」のデマをそのまま繰り返しているサイトですが、例のまとめサイトでも冒頭で紹介されていた在日韓国人の無職率について以下のように強調して触れています:

http://mindan.org/toukei.php
これは民潭のホームページですが、ここの職業別という項目を見てください。日本に永住する在日韓国・朝鮮人の実に
636.548人中、462.611人が無職なのです。

恥ずかしながら、僕も最初にこの数字を見たときは驚いてしまいました。というのもこの数字の意味を誤解していたからです。

注意が必要なのはここで言う無職というのは失業者の意味ではないということ。これは単に就業していない人を指しているので、労働力人口に含まれない子供や老人などを含んでいます。民団のデータの算出方法が不明確ですが、無職人口 = 人口 - 就業人口 と考えましょう。この基準で計算すると以下の通り。

  • 在日韓国人の無職率(民団統計, 1999年): 462,611 / 636,548 = 約 73%
  • 日本全体の無職率(厚労省統計, 1999年): 1.0 - (6462万 / 12664万) = 約 49%
  • 在日韓国・朝鮮人の無職率(総務省統計,2000年): 1.0 - (255,880 / 466,948) = 約 45% 1.0 - (255,880 / 529408) = 約 52%

上の「在日韓国・朝鮮人の無職率」で人口で割るべき所を15歳以上人口で割る計算ミスをしていました。お詫びして訂正します。(2005/03/22)

以下が元データ。民団の統計は厚生労働省の統計とは矛盾する点もある(全体に人口多すぎ等)のですがとりあえず。

結局、無職率は民団の統計(韓国籍限定)だと5割弱高い、日本の統計(北朝鮮籍も含む)だと逆に1割弱少ないほぼ同じ(6%程高い)という結果です。運動サイトは在日には無職が多いと臭わせる書き方をしていますが、実際にはそれほど多くないかむしろ少ないと考えられます。

ちなみに上の計算では人口の年齢構成比は考慮していませんが、韓国・朝鮮籍外国人登録者の年齢構成は日本人と類似した構成とのこと(「平成15年末現在における外国人登録者統計について」p7,第15図)なので、特に補正は必要ないと思います。