「共感」とは何か。

[id:rangelife422:20051118:p1] より:

じゃぁ『普通の人』*1が持っている共感性ってのは何なの?という疑問がむくむく。

共感するってのは例えば『自分が相手と同じ経験をしたならば、同じ様に感じるであろう(その逆も)』と考える事ですよねぇ。それこそがエミュレーションではないですか?共感って精々そんなもんだと思うんですよねぇ。

僕は「共感」と「理解」は違うという立場です。「共感」は帰納的プロセスによる推論とは違うものでいわゆる「心の理論」の機能だと理解しています。詳しくは知りませんが脳機能としても別物とされているようです。

また「共感がスバラシイ」ということを言いたいわけではなく、我々の社会がある程度の共感性を前提にしているので共感性のなさが「悪意」「非人間性」「反社会性」と勘違いされて不利益を被る(それこそオタク叩きのように)のは困るので、要は能力の差なんだからあまりヘンに煽らないで欲しいというのがあのエントリを書いた意図です。

「だからあまりいじめるな」(『寄生獣(8)』p59より)

↑こんな感じ。

追記1: 参考文献?

これの「共感/システム化」という区別に触発されてああいうふうに書きました。この論文自体の評価ってどうなんでしょう?

追記2: ネイティブ

「ネイティブ」という言葉は、無意識に適切な反応ができる、という程度のイメージで使いました。ちょうどネイティブスピーカーが無意識に文法的に正しい文章を喋れるように。エミュレーションの方は、外国語の文章を文法知識を駆使して作文する外国人のようなイメージ。

なので『自分が相手と同じ経験をしたならば、同じ様に感じるであろう(その逆も)』と頭で考えてしまうのがエミュレーションです。反射的(?)な感情移入が伴うかどうかの違いかな? そういう反応性も学習によるものだとは思いますが、言語習得のようにある程度の年齢を超えると学習困難になるということがあるのかも(科学的根拠はないですが)。