命の天秤

これ、たぶん教育の目的としては僕らの命(生活)と鴨の命を天秤に乗せて、葛藤を経た上で前者を選ぶという、寄生獣でシンイチが「後藤」を殺したシーン的な通過儀礼を狙っているのだろうけど、果たしてそれが伝わるか。

どうしても鴨を食わなきゃいけないという状況が設定しづらいし、鴨に愛着を持たせてしまうとそれは既にただの「命」じゃなくなってしまう。下手をすると天秤の両側に乗るのは「教育」と「愛情」になってしまうのではないか。教育という崇高な目的のためには個人のちっぽけな愛情などは犠牲にすべきだ、というふうに伝わってしまわないか。

子供のうちはただショックなだけだろうけど、成長して舞台裏まで知った時に何を感じるのか、ということを考えると結構怖いと思った。