- はてなブックマークのコメント一覧非表示機能について、ブックマークされる側より。 (Attribute=51)
てっきり『「要は勇気がないんでしょ?」で始まるはてなブックマークのコメント一覧非表示機能』的な何かかと思ったら違った。しかも非表示機能使ってるし!
個人的にはブログ主がコメント欄を閉じたり、トラバを受け付けない設定をするのと同じように、
選択肢の1つとしてあってもいいと思うんですが、
反応を見ると、意外と「えーー、そういうことするのー?」な意見が多いんだなぁと思いました。
はてなブックマークのコメント一覧非表示機能について、ブックマークされる側より。 (Attribute=51)
僕は逆に、いい落とし所とか言う人が意外と多いと思ったクチ。
コメントするのが好きな人がいるように、コメントされるのが好きじゃない人もいる
ブクマコメント欄が閉じられたことで、
「議論ができなくなる」「自分の意見が主張できなくなる」と言われる方もいるのですが、
そもそも、自分のエントリーで議論されたくない人もいれば、
他人の主張なんかいらないと思う人もいるわけです。
Web (のアクセス制御されない部分)*1は公共の言論空間じゃないんですか? 自分が議論しない自由はありますが、自分が一度公にした言論について他人に議論させない権利なんてないんです。
何も、土俵にあがりたくない人を無理矢理土俵にあげて、いろいろ言うこともないと思うのです。
逆です。Web ではみんな既に土俵に上がってるんですよ、自分から。その自覚がない人が多いという現実に配慮しようという規範は必要かもしれませんが、土俵に上がっていることを自覚させないようなアーキテクチャを土俵の上に上積みするのは反対です。「土俵の上に」というのが重要です。別の今とは違う土俵を作ることには反対しません。
はてなブックマークが「元サイトをブックマークして、はじめて成り立つ」サービスであることを考えると、
サービスが、コンテンツを生み出してくれる人に嫌われるわけにはいかないと思うのです。ゆえに、傍観者の利益よりもブログ主の利益の方が優先されるんじゃないかと。
という意味で正しい(というか必要な)選択だったんじゃないかなぁと思います。
ブックマークコメントもコンテンツです。というか傍観者のつもりでコメントしてる人こそが批判されるべきです。100文字で言える言葉は軽いかもしれませんが、*2それが300人集まった「100文字×300人」のブックマークコメント一覧は立派なコンテンツです。だから一覧非表示機能はリンク先のコンテンツがリンク元の他者のコンテンツを制御するというかなり異常な構造になっているのです。
問題は多数の人が思い思いに書いた言葉を集めたコンテンツなのでコンテンツに対して誰が責任を持つかが曖昧になることですが、そこは個々のコメントを付けたユーザが識別できるシステムになっているわけで、原則的には個々のコメントの文責はそのユーザにあるわけです。*3
もっとも、多数のコメントに見られる傾向が、一覧表示の掲示板的な構造ゆえに起こったカスケード的な現象の結果だとしたら、そういうシステムを作った側にも責任はないのか、という議論はありえます。僕も2ちゃんねるやWinnyのアーキテクチャについてそのような議論をすることはありますが、掲示板的な構造そのものまで規制するのは「集会の自由」を禁止するのに匹敵する破壊力があり容認できません。
意見は言えているし、代替手段もある
今回の機能追加で一覧が閉じられる可能性が出ましたが、
だからといって、意見が言えなくなったわけではありません。
例えば、自分がブックマークでコメントしたことは、自分のブックマーク欄で見ること(見てもらうこと)ができる。
今まで通り意見は表明できていると思うんです。
上に書いたように「100文字×300人」としてのコンテンツがなくなるという意味で「自分のブックマーク欄」は「代替手段」とはなりえず、「今まで通り」ではありません。ソーシャルブックマークは単なる公開ブックマークではないのです。
ただ、「今までできなかったことができるようになった」というのは大きい。
ブックマークコメント上でいろいろ言われるのが嫌だった人にしてみれば、
スパムコメントが嫌でコメントを閉じたとか、
トラックバックスパムが嫌でトラバを閉じたとか、
いろんな人に見られるのが嫌だからmixiの公開範囲を友達までにしたとか、
そういったときに感じた安心感を、
はてなブックマークに対しても得られる1つの選択肢ができたということ、
自分が何かをすることではなく人に何かをさせないことの実現は単純に選択の自由の拡大とは評価できません。コメントやTBのスパムは個人のコンテンツ領域の侵害ですし、管理責任のある領域は管理者がコントロールできてしかるべきです。しかし、はてなブックマークはそうではないのです。
はてなの譲歩はやさしさなのかもしれませんが、*4これが他人の領域や、自分の責任の及ばない領域にまでコントロールを要求する流れにつながることを危惧しています。
トラックバック:
idトラックバック: