はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く気が起きるのだろう。そこがまったく理解不明だ。
Twitter / Mochio Umeda: はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコ ...
twitter の発言にブクマが 179 users (13:30現在)。さすがアルファブロガーは違うぜ!
問題になった「本を紹介しているだけのエントリー」とはおそらくこれ。
上の発言で「書評」ではなく「紹介」としているのは意味深。というのは実際このエントリは「書評」になってないから。最初にタイトルを見ると、なぜその本が「すべての」日本人が「いま」読むべきなのかが書かれたエントリを期待するのだが、そこに書かれているのは、
- 俺はすげー感動したぜ!
- ベストセラーになるべき。お前らも読め!
- 著者の水村美苗は作家として素晴らしい人!
- 議論はお前らが読んでから。だから内容については書かないぜ!
こんな感じ。でも一言だけ、としてエントリの後半でこの本のテーマについて簡単に説明している。こんなん Amazon の内容紹介程度じゃん、と思ったらどういうわけか Amazon には内容紹介が書かれてなかったりする(レビューもない)ので、まあこれはこれで有用ではあるのだろう。
「書評」ならばテーマだけではなくてどんな論理で何を主張しているかという程度の内容紹介は欲しいものだが、「書評」らしいエントリにしなかったのはおそらく意図的だろう。梅田氏としては、下手にまとめてしまうとそのまとめをベースに議論されてしまい、元の本の存在価値をスポイルしてしまうことを恐れているのではないか。
そうだとすればそれはそれでわかる。しかし、本を読む人が「お金を出して買うべきか」「時間をかけて読むべきか」を判断する材料がほとんどなく、梅田望夫がリコメンドしているというただ一点で本を売ろう/読ませようというのは無茶というか読者をバカにしちゃいないか? とも思う。
また、うがった見方をすれば、内容を紹介できないのは梅田氏が水村氏の文才に惑わされてたいした内容がないものを凄いと思わされているだけだからじゃないか、内容について書いてみたらなーんか陳腐で元の本の凄みを伝えられそうになくてやめちゃったんじゃないか、などと邪推することも可能だ。
結局あのエントリが本の紹介として有効に機能するには紹介される側に梅田氏に対する積極的な信頼が必要になるということだ。まあ「宣伝」でも「批評」でもなく「紹介」というのだから、それはそういうものなのだろう。
さて、冒頭の梅田氏のコメントだが「対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く」というけれど、エントリがああいうものならああいう反応にならざるを得ない。もちろん紹介された本を読まずに「どうせつまらん本だろう」みたいな反応をするのは一般的に言ってバカだけれど、中途半端な「紹介」で絶対読め的な事を言われてもファン以外の人には「読んだら負け」的な反感を買うというのは理解可能な反応。
というか、これは一種の「すっぱいぶどう」の心理で、ああいった事をわざわざ書く人はむしろあの本にかなり興味をそそられてしまっていると見るべきでしょう。読みたいけど読みたくない、読みたくないけどうっかりすると読んでしまいそう、だからこそ、読まなくていい理由に対してコミットメントを表明することで態度を確定してしまう、ということなのでは。
じゃあどうすればよかったか。あのエントリの残念感は「書評」を期待させたからこそなので、そこに手当てが必要だ。期待に応えるというのが一つの解だが、内容をあまり紹介したくないということであれば、むしろ期待させないで興味を持たせる、というのが解になる。たとえば、エントリにせずにブクマにするというのはどうか?
たとえばこんな感じで。
はてなブックマーク - 水村美苗氏 英語の覇権憂う書 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) の想像図。
ブクマコメントなら100文字しか書けないのでまともな書評なんて誰も期待しない。期待されるのは気の利いた勢いのある言葉だ。それこそ梅田氏の得意とするところではないか? まあ、こういうのはキャラ作りも必要になってきて、梅田氏にオススメしてよいものかどうか判断はつきかねるところだが。。。
追記
- 誤字訂正: ×フォン ○ファン ご指摘感謝。
- 写真大事。
- アフィ目当てって話はしてないような… モチオ級のお金持ちがアフィ目当てなんてふうには普通考えないと思う。梅田氏が善意で買わせたい/読ませたいと思っているのは前提。問題は彼の善意が僕らの利益につながるかどうかがわからないところ。
- keyword:「日本語が亡びるとき」欲しい!