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鈴木謙介氏の自己責任論。自己責任原則を実際に運用するにあたって自己決定にある程度制限を持たせたい場合、あからさまに制限を加えて決定を妨げるか、それとも責任範囲を拡大して自制を促すか、という選択があるが、なぜ後者が選り好みされたのか、その選択の利害得失はどうなっているか、を考えようという話。
さらに言えば、自己責任論のメリットは、一見すると責任の範囲が拡大しているように見えて、その実は(1)ある振る舞いを決定する人間以外にとっては、責任を取らなくていい範囲が拡大する、(2)自己決定に対する責任の拡大によって決定を抑止する方向に機能する、というのが自己責任肯定論者の立場だろう。 (1)に関しては特に政府はこの恩恵を被るし、一般の納税者にとっては、同じ国家に属していると言うだけでまったく同意しがたい思想信条行動傾向を持つサヨクみたいな連中のケツを拭かなくてよくなる。(2)に関しても、ネガティブな言い方をすればボランティア精神だけに溢れているだけの無能な連中の動きが止められるなら、ポジティブに言うとしても無謀な行動を抑止できるならよし、というところだろうか。
自己責任を言う事で自分は免責されるという構図があって責任拡大が支持される。でもそれって欺瞞じゃないの? 結局消極的プレイに終始するチキン野郎*1が得をして、賢い人はリスク増に耐えきれず積極的プレイを断念して、結局リスク計算の出来ない馬鹿が突撃厨となってむしろトホホな状況になるんじゃないの? というのが彼の予想。
なかなか的を得た議論だとも思ったけど、実際自己責任を言ってる人達の中には本当に得するかどうか怪しい人も大勢いる気がする。そういう人たちにとって「自己責任を言う事で自分は免責される」という事自体が見せかけで、実は勘違いだったりしないかな?
例えば、ある2ちゃんねらー(以下名無しさん)が 2ch で朝鮮総連の悪口を書き込んだとしよう。それを見つけた朝鮮総連の秘密暗殺部隊(なんてのがあるのかどうか知らないけど)がこの名無しさんの IP アドレスを割り出し身元を突き止めて暴行を加える、という事件が発生したとする。
他の2ちゃんねらーはこの事件をどう考えるだろう? これは悪口を書き込んだ名無しさんが悪いよ! 言論の自由? でも自由には責任が伴うでしょ? 朝鮮総連が危ない団体なのはわかりきった事なのに串も通さずあんなことを書き込んだ名無しさんが馬鹿過ぎ。自業自得。しかもあの馬鹿のせいで板は何日も停止されるし捜査と称して警察が鯖のログ持っていって投稿者のプライバシーは危険にさらされたし、板の住民にどれだけ迷惑がかかったか。名無しさんはこの責任どうとってくれるつもり? 。。。と、素直に責任拡大論を適用するとこんなことになりやしないか?